マブ

-mab」は、モノクローナル抗体(monoclonal antibody)製剤に共通する国際一般名(INN)の接尾語です。


「-mab」とは?

項目 内容
接尾語(suffix) -mab(monoclonal antibodyの略)
分類 生物学的製剤(抗体医薬)
標的 特定の細胞表面抗原(例:HER2、TNF-α、CD20など)
適応疾患 がん、自己免疫疾患、感染症、アレルギー、COVID-19など

モノクローナル抗体製剤の分類

名前からわかる抗体の「由来」と「標的」

接尾部 由来 特徴
-ximab キメラ型(ヒト×マウス) リツキシマブ(rituximab) アレルギーや中和抗体のリスクがある
-zumab ヒト化抗体(主にヒト、一部マウス) トラスツズマブ(trastuzumab) キメラ型より安全性が高い
-umab 完全ヒト抗体 アダリムマブ(adalimumab) 免疫原性が最も低い

代表的な抗体製剤と標的

薬剤名(一般名) 商品名 標的 主な適応
リツキシマブ リツキサン CD20 悪性リンパ腫、関節リウマチ
トラスツズマブ ハーセプチン HER2 HER2陽性乳がん
ベバシズマブ アバスチン VEGF 大腸がん、肺がんなど
アダリムマブ ヒュミラ TNF-α 関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、乾癬など
オマリズマブ ゾレア IgE 気管支喘息、蕁麻疹
デュピルマブ デュピクセント IL-4/IL-13 アトピー性皮膚炎、喘息
ニボルマブ オプジーボ PD-1 悪性黒色腫、非小細胞肺がん、胃がんなど(免疫チェックポイント阻害薬)

モノクローナル抗体の副作用と注意点

種類 内容
初回投与反応 発熱、悪寒、血圧低下(特に初回点滴時に注意)
感染症 免疫抑制により日和見感染症(結核、B型肝炎の再活性化など)
自己免疫関連有害事象 免疫チェックポイント阻害薬で特に注意(腸炎、甲状腺炎など)
薬剤に対する抗体(ADA) 中和抗体の産生 → 効果減弱やアレルギーの原因に

名前の読み解き方(例:rituximab

語幹 意味
ri- 任意の接頭語(無意味)
-tu- 腫瘍(tumor)
-xi- キメラ型(chimeric)
-mab モノクローナル抗体

まとめ

「-mab」は、特定の細胞や分子を標的にしたモノクローナル抗体製剤で、がんや自己免疫疾患などの分子標的療法の中心を担っています。
名前の中には、由来・標的・抗体の種類に関する情報が隠されており、それを読み解くことで薬の性質やリスクがわかります。

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