ウイルス性食中毒とは?
ウイルス性食中毒は、ウイルスが付着・混入した食品や水を摂取することで発症する食中毒です。ウイルスは食品中で増殖せず、体内に入ってから腸管などで増殖し、感染症状を引き起こします。
主な原因ウイルス
1. ノロウイルス(Norovirus)
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潜伏期間:24〜48時間
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主な症状:激しい嘔吐、下痢、腹痛、微熱
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感染経路:
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ウイルスに汚染された食品(特に牡蠣などの二枚貝)
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感染者の便や嘔吐物に触れることによる接触感染・飛沫感染
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汚染された調理器具・手指を介しての経口感染
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感染力:非常に強い(少量でも発症)
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季節性:主に冬(11〜3月)
2. ロタウイルス(Rotavirus)
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潜伏期間:1〜3日
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主な症状:激しい水様性下痢、嘔吐、発熱
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主な患者層:乳幼児が中心(5歳未満)
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感染経路:便→手→口の経路(経口感染)
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重症化のリスク:乳幼児では脱水による入院例も多い
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ワクチン:定期接種として乳児にロタワクチンが推奨されている
症状の特徴
ウイルス | 主な症状 | 潜伏期間 | 回復期間 |
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ノロウイルス | 嘔吐、下痢、腹痛、微熱 | 1〜2日 | 2〜3日程度で自然回復 |
ロタウイルス | 水様性下痢、嘔吐、発熱 | 1〜3日 | 4〜6日(脱水に注意) |
ウイルス性と細菌性の違い
比較項目 | ウイルス性食中毒 | 細菌性食中毒 |
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原因 | ウイルス | 細菌や毒素 |
食品中で増殖 | × 増えない | ○ 増える |
主な症状 | 嘔吐・水様下痢 | 発熱・下痢・腹痛 |
感染力 | 非常に強い(ノロ) | 比較的弱い場合もあり |
治療法 | 対症療法(脱水防止) | 対症療法、一部抗菌薬 |
予防方法
ノロウイルス・ロタウイルス共通
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手洗い(石けん+流水で30秒以上)
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調理器具や食器の洗浄・消毒
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嘔吐物や便は次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)で処理
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感染者は調理業務に従事しない
ノロ対策の補足
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85℃以上で90秒以上加熱するとウイルスは不活化
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アルコール消毒は効果が薄いため、次亜塩素酸が有効
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トイレ・ドアノブ・水回りの消毒も徹底
注意点
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ノロウイルスは症状が治まった後も1週間以上ウイルスを排出するため、感染拡大に注意。
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高齢者や乳幼児、免疫力が低下している人では重症化することがあるため、早めの対応が重要です。
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