ナビル「-navir」とは?
ナビル「-navir」は、プロテアーゼ阻害薬(Protease Inhibitors, PI)の国際一般名(INN)接尾語です。
プロテアーゼ阻害薬とは?
- 主にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症の治療に使われる抗ウイルス薬の一種です。
- HIVのライフサイクルにおいて重要な酵素であるプロテアーゼを阻害し、ウイルスの成熟を妨げます。
- これにより感染力のある新しいウイルス粒子の生成を防ぎます。
作用機序
- HIVは宿主細胞内でポリタンパク質として合成されます。
- プロテアーゼはこれを機能的なタンパク質に切断・成熟させる役割を持ちます。
- 「-navir」薬はこのプロテアーゼに結合し、切断機能を阻害します。
- 結果として、不完全で感染力のないウイルスが作られ、ウイルスの増殖が抑えられます。
主な「-navir」薬剤例
薬剤名(一般名) | 用途 |
---|---|
リトナビル(Ritonavir) | HIV治療、他のプロテアーゼ阻害薬の血中濃度増強剤としても使用 |
サキナビル(Saquinavir) | HIV治療 |
インジナビル(Indinavir) | HIV治療 |
ロピナビル(Lopinavir) | HIV治療(リトナビルと併用で使用) |
アタザナビル(Atazanavir) | HIV治療 |
ダルナビル(Darunavir) | HIV治療 |
臨床的ポイント
- 併用療法の一環として使われ、HIVの多剤耐性化を防ぎます。
- リトナビルは他のプロテアーゼ阻害薬の代謝酵素(CYP3A4)を阻害し血中濃度を高めるため、ブースターとして使われることも多いです。
- 副作用としては、肝機能障害、脂質異常症、胃腸症状(吐き気、下痢)、脂肪再分布症候群などがあります。
まとめ
「-navir」はHIV治療薬のプロテアーゼ阻害薬に使われる接尾語で、ウイルス成熟を阻害し増殖を抑制する重要な役割を持ちます。多くは他の抗HIV薬と併用され、効果を高めるために使われます。
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