帯状疱疹後神経痛の薬

帯状疱疹後神経痛(PHN)の薬の選び方は、症状のタイプ・強さ・年齢・副作用のリスク・既往歴などによって異なります。


症状別:薬の選び方

① ピリピリ・ズキズキする痛み(灼熱感、神経が過敏な感じ)

神経の過敏を抑える薬が有効です。

作用 選択のポイント
プレガバリン(リリカ®) 神経の興奮を抑える 初期治療でよく使われる。眠気・ふらつきあり。
ガバペンチン(ガバペン®) プレガバリンと類似 プレガバリンで副作用が出た場合に代用。
リドカイン貼付剤(リドドーム®) 局所麻酔効果で痛みをブロック 局所限定の痛みに。全身副作用なし。高齢者向き。

② チクチク・針で刺されるような鋭い痛み(刺痛)

神経の電気信号をブロックする薬が使われます。

選択のポイント
三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど) 少量で神経痛を抑える効果あり。夜間の痛みに有効。
SNRI(デュロキセチン:サインバルタ®) 抗うつ効果と鎮痛効果の両方あり。慢性化した痛みに。
神経ブロック注射 刺すような鋭い痛みが強い時に一時的な痛み緩和として使用されることも

③ 触れるだけで痛い(アロディニア)

皮膚の過敏を抑える局所療法が有効です。

選択のポイント
リドカインテープ ピンポイントで皮膚の過敏を和らげる。
カプサイシン軟膏 使用当初は刺激が強いが、継続で痛み軽減。
※注意 カプサイシンは皮膚が弱い方には不向き。使用後の手洗い必須。

④ 不眠・うつ・不安が強い場合

痛み+精神症状のケアを意識した薬の選択が必要です。

選択のポイント
三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど) 睡眠を助け、不安や抑うつに効果的。
SNRI(サインバルタ®) 不安・うつ・慢性痛を同時にケア。
睡眠導入剤(必要に応じて) 痛みによる不眠が強い時に一時的に使用。

⑤ 高齢者・副作用リスクが高い場合

副作用の少ない貼り薬や少量からの内服が基本です。

特徴
リドカインテープ 安全性が高く、全身への影響がほぼない。
プレガバリン(低用量) 副作用に注意しながら少量から慎重に開始。
三環系抗うつ薬(低用量) 口渇・便秘・立ちくらみに注意。

薬の併用について

帯状疱疹後神経痛は単剤で治らないことも多く、複数の薬を組み合わせることがあります。

  • 例)プレガバリン+三環系抗うつ薬
  • 例)ガバペンチン+リドカインテープ

※主治医が症状に応じて調整します。


注意点

  • 薬の効果は数日〜数週間で現れることがあるので、焦らず続けることが重要です。
  • 副作用(眠気、ふらつき、便秘など)が出た場合は、自己中止せず医師に相談してください。

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