「-statin(スタチン)」は、脂質異常症(高コレステロール血症)治療薬であるHMG-CoA還元酵素阻害薬に共通する国際一般名(INN)の接尾語です。
「-statin」とは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 接尾語(suffix) | -statin |
| 薬剤群 | HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬) |
| 標的酵素 | HMG-CoA還元酵素(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA還元酵素) |
| 主な適応症 | 高LDLコレステロール血症、家族性高コレステロール血症、心血管疾患の予防など |
代表的なスタチン製剤
| 一般名 | 商品名(日本) | 特徴 |
|---|---|---|
| アトルバスタチン | リピトール | 強力なLDL-C低下作用、心血管疾患の一次・二次予防に有用 |
| ロスバスタチン | クレストール | 強力で持続時間が長い、腎機能障害患者にも比較的安全 |
| プラバスタチン | メバロチン | 比較的マイルド、副作用が少ない |
| シンバスタチン | リポバス | 海外では多用、日本ではやや使用減 |
| ピタバスタチン | リバロ | 日本発、CYP2C9代謝、薬物相互作用が少なめ |
作用機序
- HMG-CoA還元酵素は、肝臓でコレステロールを合成する律速酵素
- スタチンはこの酵素を競合的に阻害 → 肝内コレステロール合成が減少
- 肝臓はLDL受容体を増加 → 血中のLDLコレステロールを取り込む
- 結果として、血中のLDL-C(悪玉コレステロール)が低下
付加効果(プレトロピック効果)
- 血管内皮機能の改善
- 抗炎症作用
- 血栓形成の抑制
- 動脈硬化の進行抑制
副作用と注意点
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 軽度の副作用 | 肝機能障害、消化器症状、頭痛など |
| 重篤な副作用 | 横紋筋融解症(筋肉痛、脱力、CK上昇)、肝炎 |
| 併用注意 | グレープフルーツジュース(CYP3A4阻害)、フィブラート系(横紋筋融解のリスク増加) |
| 定期検査 | 肝機能(AST, ALT)、CK、腎機能のモニタリングが推奨される |
まとめ
「-statin」は、コレステロール合成の鍵酵素を阻害するスタチン系脂質異常症治療薬です。主にLDLコレステロール(悪玉)を下げることに優れており、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベント予防にも重要な役割を果たします。薬剤選択や用量調整は、効果・副作用・併用薬との相互作用などを考慮して行います。
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