1. 原因菌に対する治療(抗菌薬)
百日咳の原因はボルデテラ・パートゥシス菌という細菌なので、抗生物質による治療が基本です。
よく使われる抗菌薬
薬剤名 | 特徴 |
---|---|
エリスロマイシン(第一選択) | 最も実績がある。14日間投与。 |
クラリスロマイシン | 小児にも使用可能。短期間(7日間)で済む。 |
アジスロマイシン | 服用期間が短く(3〜5日)、副作用が少ない。 |
トリメトプリム・スルファメトキサゾール(代替) | マクロライド系が使えないときの選択肢。 |
ポイント
- 発症後早期(カタル期)に開始すれば、症状の進行を防ぎ、感染拡大も抑えられます。
- 咳が激しくなってからの抗菌薬投与は、咳そのものを止める効果はあまりないが、感染性を減らすために重要です。
2. 症状に対する治療(対症療法)
百日咳の特徴的な咳や呼吸困難に対して、症状を緩和する治療が行われます。
主な対症療法
方法 | 内容 |
---|---|
咳止め(鎮咳薬) | 効果は限定的。原則として小児では使用を慎重に検討(副作用のリスクあり) |
酸素投与 | 呼吸困難や低酸素がある場合に使用 |
吸入療法 | 気道の炎症緩和のために行うことも |
十分な水分・栄養補給 | 咳で体力を消耗するため、こまめな水分・栄養摂取が重要 |
入院管理 | 乳児、重症例、合併症がある場合は入院での経過観察や集中治療が必要 |
乳児・新生児の場合の特別な対応
- 特に6か月未満の乳児は重症化しやすいため、入院管理が原則。
- 酸素管理、けいれん予防、栄養管理など、多方面からのサポートが求められます。
- 時にはICU(集中治療室)での対応が必要になることも。
感染拡大防止のために
- 発症後5日間の抗菌薬投与が終了するまで登園・登校・出勤は禁止が基本です(学校保健安全法の扱い)。
- 家族や接触者に対しても、予防的抗菌薬の投与が推奨されることがあります(特に乳児がいる家庭)。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
抗菌薬 | マクロライド系を早期に投与 |
対症療法 | 咳・呼吸困難に応じたサポート |
重症例 | 入院管理、特に乳児は要注意 |
感染対策 | 接触者対応・隔離期間の順守が重要 |
投稿 百日咳の治療 は メプラス - MEPLUS に最初に表示されました。